Date: Fri, 02 Jan 2009 21:56:39 +0900
From: Fukapon
Subject: ふたなりカノンちゃん
あけましておめでとうございます。 Fukaponにゃの。
とゆわけで、今年も新年三が日耐久エロゲ処理のときがやってまいりました。 1本目はDelta 『ふたなりカノンちゃん』。 珍しくコンプリートした上で、早速レビューしてみましょう。
いつも通り、概要はWikipediaを...って、ページすらないのか。 はいはい、あとで作っておきますよぉ。
なんつーか、タイトルとパッケージの絵であっさり想像がつくわけですが、プレイヤー = 主人公 = カノン = メインヒロインです。 つまり、プレイヤーは女の子になるわけです、ふたなりだけど。 これは評価の分かれるところだろうなぁと思います。
本作はエロゲですから当然、可愛い(くないのが好きな人もいるかも知れないけど)女の子とエッチってのが一つの目的であることは明白です。 しかし、じゃあ、誰がその子とエッチするかと言ったら、(「普通の」エッチであれば)プレイヤー = 男の子であるのが基本ですよね。 そこを女の子にして受け入れられるのかってのは確実にあると思います。 いくらおちんちん付きでも、女の子は女の子なのです。
私としては、女の子だからこそこの作品が素晴らしいと声高に叫びたいのですが...。 その程度には「女の子」なので、自分が女の子になりたくない人には向かないでしょう。 逆に、女の子になりたい人(って書くとどうも変態感が漂うが)なら案外まともに楽しめちゃいます。
カノンの存在や設定、心理描写、大筋は女の子向けの物語としてわかりやすいフォーマットに乗っかっています
故に、中盤までのカノンは女の子向け特有の卑屈さが結構強くって、プレイヤー = 私としては歯痒いです。 明らかに私はマトバちゃんのような人間で、明るく真っ直ぐ走りたい人ですからねぇ。
それはさておき、要は骨格が女の子向けなので、エロゲの主要購買層にとっては不満が残るかも知れません。 ...ふたなりものを主要購買層が買うのかは謎ですが。
逆に、それなりに女の子になれるので、私みたいな人は大喜びだと思います(笑。 客観的な指標をあげるなら、最近だと『伯爵と妖精』とか『ヴァンパイア騎士』観てドキドキしちゃう人とか、百合が好きな人ならいけるんじゃないでしょうか。
骨格が女の子向けなのは大変に素晴らしいのですが、肝心なところでエロゲなんですよね。 イベントシーンが直接的なエッチのみ。 要はオナニーか扱きあうか、フェラチオかセックスか。 あのさぁ、どーなん? そーゆーの。 オナニーだけはよしと思ったけど、ふたなり的には定石だろうから褒めるほどでもないか。 とにかく、問題はその「すぐセックス」ですよ。
私はマトバちゃんともっといちゃいちゃしたいの。 朝一緒に登校して(これはちょっとあるけど)、それぞれの教室に別れる前にこっそりキスしたり、お昼一緒にお弁当食べたり、放課後の生徒会室でふと視線を交わしたり、帰りには手をつないで寄り道したり、したいのよ。 エッチも前後が大切なの、ベタベタしていたいの、甘ったるい話していたいの。 好きって言いたいし言われたいの、たくさん、たくさん。 わかる?(笑
いわゆる抜きゲーという位置づけであろうからこそ、そーゆーのは省いてしまったのかも知れません。 しかしこの物語の骨格を受け入れる人の多くは、「女の子っぽい」イベントに悦びを感じるものです。 ええ、あえて言い切ります。 その辺、プロとしては抜かったのではないかなと悔やまれます。
抜かったと言うよりは、そこまで徹底する危うさを、プロだからこそ許容できなかったのかも知れません。 先に書いたとおり、物語は大きく分けて2本。 大筋でマトバちゃんとの恋愛を描くハートフルなAルートと、淫らな悦びに堕ちていくハードコアなBルートとあります。 いわゆる女の子向けであれば前者だけ用意しておけば良さそうなものですが、あえてBルートが存在する意味は、やはり抜きゲーとしての矜恃、そして、少しでも広いマーケットを狙ったんでしょうね。 そのせいで結局、少なくとも「女の子」の要求を満足することはできていません。
マトバちゃんの可愛さは設定から察してもらうこととして(笑。 初めてをもらってくださいとか言われて、あまりの甘さに目眩しそ...。
ここで語っておきたいのは、保健室の養護教諭(作中では「保健医」と言ってたけどさ)である、川原マヤ。
いやぁ、なんつーか、いい先生だね。 こーゆー先生になりたい(ぉ。 まぁ、エロ方面が過ぎるところはありますけど。 あっけらかんとして話しやすいお姉さん。 でも水面下ではキッチリ仕事してる、実は頼りになる先生。 この年始改めて、我が目標を確認しましたよ。 キッチリ仕事しているかはさておき、味付けとしては私ってすでにそーゆー感じだと思っています。 ので、あとは免許なんだろうなぁ。
ちなみに、女神様なのはAルートのマヤ先生。 Bルートは、まぁ、ある意味女神なんだけど、輪姦仕組むとかダメですよ。
最近はもう不備などないのかなぁと思いつつ、システム関連。 今回プレイしたプログラムは2009-01-02現在最新の、Update 1.1適用済みです。
使用PCはおなじみの2003 Enterpriseが稼働しているものです。 ビデオコントローラがショボくなったのは、DVI接続をML350 G5に奪われたから。 ...早くリプレースしたいですなぁ。
インストーラは独自のもので、インストール = ファイルコピー機能と、ランチャ機能を持っているだけです。 なのに、突っ込みどころがあるのは何とも...。
ゲーム本体のプログラムは若干プラスかな。 とは言えそれは偶然で、ユーザビリティを考え切れていない感があります。
私は、意外とまともで、おもしろいと感じました。 大切なのはこの「私は」ってところで、これこそが総評かな。
「女の子が好きだから、女の子になってみたい」と思うような人には、おすすめできます。 逆に、そうは思わない人にはあわない。 他に特有の見所もあるわけでもありませんし、手を出してもいいことはないでしょう。
ちょいと気になるのは、シナリオの品質。 表記揺れが見受けられるという初歩的なものから、絵とちぐはぐ、描写が無理すぎる(非現実的)ってのまで。 どうも、低品質な感じを受けます。 ま、そんな細かいところをつついてどうこう言うべきゲームでもないと思う、そう言えるかどうかも向き不向きを判定できるポイントかも知れませんね。
なお、総プレイ時間は470分 = 約8時間。 Aルートの1EDに達するまでには320分 = 約5.5時間でした。
最後に。 作中から名言。
“おちんちんに触れないで”は“心に触れないで”と同義。
では、次のソフト、いってみよー。