Date: Thu, 01 Jan 2004 20:52:49 +0900
From: Fukapon
Subject: Lost Passage
あけましておめでとうございます。 てひひひひ〜、Fukaponれすぅ。
始めたのが2003年2月4日。 今日は2004年1月1日。 ...こんな長期にわたってプレイしていた、とゆーか、ただ単にゆるゆるやっていた DEEP BLUE 『Lost Passage』 のレビューです。
『Lost Passage』は、故郷京都へ戻って教育実習を、恋をしよう、ってゲーム。
...書きますよ、経験を交えて(^^;
実習の日々を子細に書き残した「非公開日誌」の内容のコア部分を、レビューとともにお伝えいたしましょう。
# さすがに具体的なことは伏せざるを得ませんが :-)
純粋すぎる目的で教育実習へ望むあなたの、必読の書となること間違いなし!(^^;
なお、このドキュメントは以下の方々に捧げるべく書いております。
逆に、以下のような方々は読まない方が無難です。
...「必読の書」なんて偉そうなことを書きましたが、どちらかというと「必読のメモ」です(^^; だーっと書いたのをそのまま掲載しちゃいますので、読みづらそうな部分も多々...。 まぁ、それは数年後、あなたの経験によってアップデートされるときに、改善もなされると期待しております ;-)
さて、本題のゲームレビュー。 今回はまず、『Lost Passage』と実際の教育実習を比較してどうなのか、を書いていきましょう。 その後に、いつも通りのゲームとしての評価などを。
とは言え、まず、あらすじくらいは必要ですね。
教育実習を行うべく、主人公である三崎 彰は故郷、京都へ帰ります。 家族の引っ越しによって東京へ来た三崎ですが、京都は思い出深い土地、大切な幼なじみがいる地。 そこでの実習を通して、生徒でもあり幼なじみである子たちや、実は高校時代につきあっていた先生、全く新しく出逢う女の子たちと恋をしよう。 そんなお話です。
あり得ます。
結論から申しますと、『Lost Passage』のような妄想とか夢とか言われそうなイベントは、現実に起こります。
人と人とがふれあうのですから。 何もないって決めつけちゃう方が、そもそも不自然。
身をもって...とゆー話はしません(ぉ。 まぁ、ハッピーエンドが観られなかったことだけは言えますが、それは「可能性」の問題ではなく、私自身の問題です(^^;
教職課程を履修中のみなさんは、教育実習について、教育実習そのものが「とにかく大変」で「寝る暇もない」と聞いているでしょう。 でも、実際にはそんなことありません。 イヤ、それなりに大変ではありますが...。 あなたのように、何よりも「大変な目的」を持っている人にとって、実習生活の万ごとが大変だと思えるはずがないんです(^^; 実際、私もそうでした。
社会人になって、いわゆる「時間がない状態」になった今でも、これはハッキリと言えます。 どんな状況下でも、やる気があれば何でもできます。 お忙しい諸先輩方も、これにはうなずいておりましたよ(笑。 ですから、教育実習の際にも、恋を見つけることは当然できます。 とゆーか、そのために行くのでしょう?(^^;;
ただし、本気で恋愛しに行くのならば、あなたの趣味はさておき高校での実習をおすすめします。 中学校だとさすがに厳しいですよ(^^; 良くも悪くも、中学生の彼女たちは幼いです。 高校へは行きませんでしたが、相対的に高校生が大人で、あなたとの恋愛に近いのは自明の理。 また、高校だと卒業後「先生と結婚」なんてシナリオが普通にあるそうです。 逆に、中学校ではまずないそうですね。
...幼い彼女たちがいるからこそ、行くんだ。
とゆー決心をしているあなたを止めることはできませんけど。
私もそうでしたから、気持ちはよくわかるんです(爆
# あたし、中学校教諭の免状しか持っていません(^^;
想ってくれる幼なじみがいて、以前は恋人だった先生がいる。 幼なじみの付き人の巫女さんが薄倖の少女で、人のぬくもりを忘れている。
...まずあり得ません(笑。 母校実習の場合、夏越理乃のような大学の同期という存在もまずいないでしょうね。 よって、『Lost Passage』で参考にするのは、日々の展開そのものにとどめるべきかと思われます。
生活パターンは、現実に近いです。
現実を『Lost Passage』に近づけることが可能です。
後者の方が適切でしょうね。 シナリオライターも、そんなに調べて書いたわけではない気がしますし...。 実際に、三崎のような実習期間を過ごせる「不良実習生」はそうそういないでしょう。 少なくとも、あなたが行く実習校では、あなた一人でしょう。
よって、『Lost Passage』のイメージで実習へ行くのは全然問題ないばかりか、純粋すぎる目的のためには非常に好都合であると言えます。 あれだけ恋愛に工数をふれれば立派なものです(笑
ただ、実習を休むというのは非現実的。 後にも書くのでしょうが、我々のような「不良実習生」には、教育実習の必修項目を高得点でクリアすることが望まれます。 義務を果たしてこその権利。 「とんでもねーこと言ったりやったりしてるけど、実習生としての責務は果たしている」とゆー評価を勝ち得て、好き勝手やれる状況を作る必要があるのですから(^^;
最優先事項が何か、わかっていますね?
生徒と一緒にいること。
これ以上に大切なことなどありましょうか。 このためには、すべての他の行動を控えましょう。 また、このためなら、多少の面倒にでも立ち向かいましょう。
よって、基本的には「控え室にいない」ことが大切。 とにかく生徒と対面しましょ。
まず、授業時間中は指導実習がない場合でも、授業参観するなどしてできるだけ教室へ。 たとえ授業参観だけでも自己紹介できるチャンスはもらえますし、授業内容によっては授業の補佐くらいはできます。 また、たまに教員から質問を振ってもらえたりして、生徒に「えー」とか言ってもらうことができます(^^;
次に休み時間。 授業と授業の合間であれば、早めに次の授業が行われる教室へ行きましょう。 そして、昼休みであれば、担当学級に残っていましょう。 言ってみれば「どーでもいー話」ができる数少ないチャンスです。 教育実習生という特殊な立場は、こーゆー場面で「生徒と一緒」であることを許してくれます(そうすることがハッピーエンドへの必須条件だとは思いませんけれど。 私はそうしていました)。
難しいのが放課後。 クラブ活動への参加は、場合によって、チャンスのない場所での拘束を意味します。 しかし、心配しないでください。 クラブ活動への参加は「必須」とまでいかない場合がほとんどのはずです。 適度に顔を出す程度で問題ありません。 また、たいていの実習生は、数日たった時点でクラブ活動どころではなくなり、控え室で作業を始めます。 たとえクラブ活動に参加していなくても校内を回って生徒と交流を図る実習生と、控え室にこもる実習生。 教員からの評価も心配ありません(^^;
最後に、放課後の後。 言葉がおかしいのですが、つまりは生徒がいなくなった学校。 ...帰れ(笑。 用ないでしょ?(爆。 その代わり、帰ったあとにデートの予定がなければ(^^;)必死になって作業ね。 日誌を書く、予習をする。 ここはちょっと『Lost Passage』と違うかな? 三崎もそれなりに予習していたみたいだけど。 まぁ、『Lost Passage』では早い段階で放課後の後にもイベントが入って来ちゃいますからね。
よくおわかりかとは思いますが、「教育実習生」として優秀であればこそ、不良行為も許されるのです。 放課後の後を利用して、リモートアタック可能なセキュリティホールは徹底的に埋めろ(^^;;
『Lost Passage』では誰のEDを観る場合でも、折り返し地点の日曜日には、女の子といわゆる「友達以上恋人未満」みたいな関係になっています。 相手によっては、一緒に寝ちゃったりもします(^^; しかし、現実でこの展開に持ち込むのは至難の業だと思われます。
考えてみてください。 あなたが例えば、高校に入学した後、一週間でどれだけの関係が築けますか? 教育実習生という特別かも知れない立場を利用したとしても、その経験を大きく塗り替えることはできないと、私は思います。
まぁ、『Lost Passage』の場合、観月、沙雪、育美とはすでに心通い合う仲ですからね。 それで一週間という展開が可能なのかも知れません(でも、藤森めぐみが相手の場合も、一週間でそこそこいくんですよね)。
となると、二週間をメイっぱい(^^;)使ったシナリオ、もしくは、二週間を超えたシナリオを想定して動くべきです。
私自身が実習をしていた頃、そこまではさすがに考えられませんでした。 だからこそあなたに伝えたい、たい、たいっ(^^;;
後述の通りに普及している携帯電話のおかげで、二週間を超えたシナリオを組み立てることは十分に現実的です。 早まった真似をして、一応本題である「教育実習」に傷を付けないようにしましょう。
とゆーわけで、折り返し地点の土日には無駄遣いでもしとけ、と(笑
『Lost Passage』が現実とどの程度符合していて、どの程度乖離しているのか。 シナリオ中気付いたところを適当に並べてみます。 実習生活計画を立てる際の参考にしてみてください。
基本的には、母校へ実習しに行くことになります。 何らかの都合で母校実習を希望しない、できない場合は、大学の指定校(大学の近くの学校)へ実習しに行くことも可能です。 ただ、この際も、夏越理乃のように掲示板を観て募集を探す必要はありませんでした。 某C大は大きかったからかも知れませんが、ちゃんと「指定校枠」があって、申請書を書くだけです。
6月、もしくは10月が実習期間となることが多いです。
むろん、実習校の都合が最優先ですので、5/8からと言うのもあり得ますけれど。
実習期間については、社会科が2週間というのは『Lost Passage』の発売が2002年であることを考えると妥当。
私も2週間でしたし、概ね2週間でした。
「でした」と言うのは、今年あたりから期間が3週間か4週間が必須になるよーな記憶があるため。
チャンスが広がる、と(^^;
羨ましい限り。
# ちなみに、この辺の条件は「実習する年」等ではなく、「入学した年」等で決まります
当然、担当学級は一つです(そして、普通、そこの担任が実習生の指導教員となります)。 では、授業を行う担当学年はどうでしょう。 これも概ね一学年だと思われます。 予習が大変ですし。 私が実習へ行った中学はとても大きな中学でしたので、一学年全部を担当することもできませんでした。 だから逆に、小さな学校だと複数学年担当もあるのかも知れませんね。
自前で用意することの方が多いです。 むろん、貸してくださる先生もいらっしゃいますけどね。 ...育美との関係を考えると、貸してくれるのも自然か?(笑
必ず書きます。 しかも手書きで(^^; フォーマットは大学指定。 ただ、その提出は翌朝にできることがほとんどです。 指導教員から放課後提出するよう言われた場合でも、放課後のクラブ活動等を理由にして、翌朝にしてもらえないか提案しましょう。 目的のために、放課後をあけることはとても大切です(^^;
教育実習生は、はじめの数日間、あらゆるところで自己紹介をすることになります。 むろん、生徒の前でも。 まぁ、こんなことをあなたに言う必要はないでしょうが...。 第一印象は大切。 ハッキリと自分を伝えましょう。 定型文なんか使うと、それこそ『Lost Passage』な状況に陥りかねません。 ぁ、そうそう、仮面を被るのはやめた方がいいです。 彼女たちは鋭い。 作り笑いなんてすぐ見抜きますからね。 見抜かれていた同期がいましたからね(笑。 それに、なんにしろ長きにわたりつきあっていくことを考えたら、仮面を被ることが得策でないのは明らかです。
高校の場合には給食がないことも多いので、『Lost Passage』のようになるんだろうと思います。 中学校の場合は給食がだいたいありますから、生徒と一緒に給食を食べることになります。 この際に指導教員が職員室へ下がってくれることも多いので(私の時はそうでした)、ある意味やりたい放題(^^; せっかくですからちゃんと『生徒と一緒に』食べることをおすすめします。 配膳や片づけも、一緒にやっちゃいましょ。 まずは、相手の間合いに入らないとね。
病院でもそうですが(^^;)、普通、立ち入り禁止。 まぁ、実習生は、その気になれば施設への鍵を手にすることが可能ですが...。 「屋上で〜」ってのは、あくまでゲームの中だけと割り切った方がいいかと思います。
見学(授業参観)、もしくは、実際に教鞭を執る授業(指導実習)がないときは、控え室で予習。 なんてしていてはいけません!(^^; 例えば中学校だと、生徒の各日誌にコメントを書いたりするため、授業のない時間を控え室で過ごさざるを得ないこともありますが...。 予習なんてのは、生徒のいる学校でやるな。 んなことはどこでもできる。 あなたは何をしに学校へ行くのですか? ....そーでしょう? そのために、うろつくとか、なんとかして、とにかく生徒の顔を見に行きましょう。
『Lost Passage』では沙雪が携帯電話を持っていない、とゆー事実を早々知ることになると思います。 ただ、現実には多くの生徒が携帯電話を持っていると思って問題ないと思います。 私が実習をした頃、さすがに中学生で持っている子は少なかったのですが...。 これこそホントに、日に日に持つ子が増えているはずですしね。 また、実習生であるあなた自身は、常に携帯電話を携帯しましょう。 実習生が携帯電話を持っている、ってのに生徒が気付けば、アドレス聞いてきますから(^^;
『Lost Passage』では、3日目に初授業(指導実習)、4日目に朝のホームルームを初担当していますが、普通は逆です。 ホームルームが先。 また、3日目という早期に指導実習を行えるかどうかは、指導教員の考え方次第です。 まぁ、どんな指導教員だったとしても「やりたい」という気持ちをしっかりと伝えることが大切。 相手は一応現職の教員。 やる気は買ってくれると思いますよ。 ちなみに私は、4日目に初めての指導実習でした。 当初2週目からといわれていましたが、まぁ、私なりにがんばったんですよ(^^;
三崎は女の子に遊ばれて散々だったようですが...(^^; あーゆーシチュエーションは、逆に少ないと思います。 生徒たちは教育実習生に対して、何かしらの興味と、何かしらの警戒心を抱いています。 まぁ、初対面の人への対応って、そんなもんでしょ? そんな実習生が初めて目の前で授業を行うのですから...。 だいたい、静かすぎて困るんじゃないでしょうか(^^; 期待していた人は諦めましょう(笑。 普段、誰かと話すときにも実感できると思いますけど、相手がうるさいくらいの方がそれこそ話をしやすいんです。 そのような観点からも、あーゆーシチュエーションで困ることはないでしょうね。
公立校へ行ったら、土曜日は完全にお休み(高校だとなんか変なことやってるとこもあるようですが)。 現在は私立校でもお休みになりつつありますね。 そーゆーお達しが出ているらしいので。 なお、お休みの日のクラブ活動への参加は通常必須じゃありません。 デートでも入れてください(^^;
さて、ここからはいつも通りのゲームレビュー。
すでにふれてきましたように、全体的な展開は真に迫っていて好感が持てます。 ...なんて言うのは一部の不良実習生経験者だけでしょうが(^^; まぁ、私にしてみれば「ぁー、こんなだったなぁ」みたいな感じで、三崎になりきってゲームを進行できました。 逆に「三崎、なにまじめにやってんだよ」とか「おひおひ、休むのかよ」とかってのも(^^;
ヒロインたちがお約束過ぎるとか、知り合いが多すぎる、ってのはちょっと減点ですけれども...。 個人的には、しっかりとした展開が、お約束のヒロインをも生き生きとさせているように感じられました。 「幼なじみ」の王道を走る宇佐観月ですら、ひょっとしたら隣にいそうな実在感がありましたね。 観月と一緒に「おやすみ」するときは安心半分、緊張半分だったり(^^; 観月と一緒に「お休み」するときは冷や冷やしてみたり(^^;;
とは言え、ご都合主義が過ぎるところがあることは確かです。 とゆーか、藤森めぐみの設定が、恋愛周りでかなりぐらついてます。
特にエッチシーンは凄いですよ、ええ。 あらゆる世俗物から遠ざけられた生活をしてきた薄倖の少女。 その少女がなぜに、身を重ねることを当然と認識しているんだ?(^^; 主人公が驚くくらいに、積極的に事を運んでくれるんだ?(^^;; んー(笑。 まぁ、好意的に解釈してあげれば「断片的な知識が思い切った行動につながった」ってとこ? 知らないって怖いよね、と(笑
でもね、胸が小さいことにコンプレックスを抱いていたり、初めてのエッチシーンで「あなたのいくところを見せて…」とか言っちゃうんですよ? それって、社会的な学習の成果じゃないんですか?(^^; ちなみに、翌日のエッチシーンはもっと凄いです(笑。 あり得ません(^^;;
...ロリなあなたには、この違和感がよく理解していただけるものと信じております(笑
また、ご都合主義の延長線上と言いましょうか、ちょっと押しつけがましいのが、歴史との複合展開。
複雑な歴史の話を、現在の生活と結びつけるような展開をするのはどうかと思います。 シナリオライターはそういうのが好きなんでしょうし、一般的にも小難しいのが受ける傾向にはありますが...。 現実的な舞台と展開を持たせているシナリオにおいては、そーゆーあまりにも現実離れしたことをやらない方が自然だし、感情移入もしやすくなるんじゃないかと思います。
非常によくできています。 システムそのものは、珍しく手放しで褒めることができます。
ただ、パッチの配布方法には疑問が残りますね。 未だに「〜の問題が発生するお客様向け」って、どーよ? バグはきちんとつぶす。 「ちゃんと動く」アプリにする。 とゆー意気込みが全く感じられません。
...非常に細かいつっこみですが、OPムービー再生時、勝手にForegroundWindowになるのもちょと気になりました(^^;
プレイ環境はいつもと同じ、以下の通り。
総じてよくできたゲームだと言えます。 おすすめ。
延々書いてきたとおり、基調となる「教育実習」が(それなりに/笑)現実的に描かれていますので、三崎に感情移入することもできますし、ヒロインたちとの恋も楽しむことができます。
ロリなあたしたちにとって、ちっちゃい子が出てこないことは気になるところですが...(^^; 社会化度合いとゆー観点で考えますと、藤森めぐみ、そして、山吹沙雪はかなりロリではないかと思われます(笑。 よって特需も満たせると評価(^^;;
それでは、教育実習を目指しているそこのあなたに、恋する日々が訪れますように。
あたしが果たせなかった夢を、頼んだ!(爆