Date: Mon, 08 Oct 2007 22:50:34 +0900
From: Fukapon
Subject: ソルティアンジュ魔法倶楽部
ペンギンにゃ、みなさま。 Fukaponれすの。
結局2週もかかってしまいましたが冴子EDを迎えましたので、micro 『ソルティアンジュ魔法倶楽部』のレビューをお届けいたします。
ご存じの通り、夏の私は同作の冴子先輩だったわけで、どうしてもやりたかったのですよ。 やはり、自分の衣装の仕上がりがどの程度のものかは気になりますよね。 製品紹介ページが閑散としている頃に公開された壁紙1枚から、型紙を起こしたんですよねぇ。 推測も多分に含んだのですよ。 それがどの程度正解だったかを確かめつつ、プレイしてみました。
ちなみにこれ、予約特典は設定資料集だったのですが、手元に設定資料集はございません。 実はキューマックス様に衣装をお譲りしたお礼として、ソフトをいただいたんです。 ですからまぁ、予約特典まではないと。 つまり、プレイし確認しなさいという思し召しなのでしょう。
とゆわけで早速、レビューはそっちのけで衣装のデザイン合致度チェックぅーっ(笑。 誤りは以下の4点。
ま、いずれも細かい部分と言えましょうかね。 毎度のことですが、衣装の完成度だけは非常に高く、衣装だけ観ればキャラそのものだねーと言われるだけのことはあります。 この際中身は気にしません。 ...可愛いって言われたいんだけど、さ(ぉ
さて、履歴書の趣味欄に「洋裁」と書いてしまうそんな僕にぴったりなのがソルティアンジュ魔法倶楽部です。 いやぁ、まさか劇中でも同じ衣装、「聖衣」を私(小太郎ちゃん)が作るとは。 今回の衣装はパーツ数も多く、妙に完成度も上げちゃったので、買い物も含めて1人月程度はかかっています。 さて小太郎ちゃんは...、なにぃ、わずか3日だとぉ? しかも放課後だけでぇ? あり得ない、あり得ないって。 だってさっきまで、初心者向けの入門書読んでたじゃないかぁっ。 しかも、部室にミシンがありそうな描写が一切なし。 なんてこった。
「裁縫とか全然得意じゃないんだけど、先輩の命令だから逆らうこともできない」
「近くで見ると縫い方が荒いのがバレバレだけど、遠くからならなんとかごまかせるかな?」
「うん。一応……っていっても、細かい装飾とかはこれからだけど」
この状況で3人日(3,4時間/人日?)って...。 聖衣の「細かい装飾」って何でしょうね。 ボタン付けとかタイ, ブローチ制作ぐらいじゃないかと思うんですが。 黄色いテープは細かいというレベルではないでしょう。 つまり、3日でほとんど完成。 現実世界の私にも、その魔法を教え込んでくれぇ。
こんなところでシナリオが不出来だと言うつもりは全くないんですが。 悲しいかな、本来の工数が理解されていないんだなぁと思うのです。 コスプレ衣装って買うと結構高かったりするんですが、それは当然なんですよ。 ひたすらに工数の嵩むものですから。 コスパあたりになるとわかりませんが(プライスからは、割と近いと推測しますが)すべて手作業のワンオフ衣装ですからね。 コミケとかで自作の衣装を見かけたら「この人はここで着てスマイルを作るまでに、たくさんの努力を積み重ねたんだな」って優しい目で見てあげてください。 中身がちょっとアレでも可愛がってください、ねっ、ねっ。
衣装もピンキリなのは事実です。 私が作るものを見ても数年前と今とじゃレベルが違いますし、世の中にはガムテープだけでエプロンドレスを作ったなんて話もあるぐらいです。 しかしいずれにしろ、想像以上の工数がかかっていることに気づいてあげてくださいね。 「工数」や「工期」って言葉が一般的に通用しないことにも気づいてあげてくださいね(笑
ちなみに、聖衣の前にマント(部の制服?)を作るシーンで、真央ちゃんが「それにこのマント、お兄ちゃんのお手製なんだよ! だからお金も生地代くらいしかかかってないし」と言うシーンがあります。 たいていの人は生地代がどの程度かなんて察しもつかないでしょうが、あのマントなら700円/m程度のツイルかな。 1.5m/人ぐらいなので、お金がかかってないのは事実です。 そそ、案外敷居の低い趣味なんですよ、洋裁。 衣装制作なら2万程度のミシンにフットコントローラ付けて、小中学校の家庭科で使うようなソーイングセット(5千円もしないらしい)を買ってくればもう始められますから。 みなさんも、いかがですか。 小太郎ちゃんみたいになれ...るかはわかりませんけど。 はぅ、あたしも冴子先輩に可愛がって欲しいよぅ。 女装させられて、お手製の媚薬飲まされて、もう、望むことすべてがかなう先輩の隣に、僕も立ちたいよぅ。
ところで、衣装制作とは関係ありませんが、お洋服関連で本作には一つ気になるところがありました。 ブラジャーのストラップアジャスターが胸部側にあるんです。 少なくとも国内で多く見かけるのは背中側にあるので、どうも落ち着きませんでした。 と思ったら、Wikipediaには胸部側が通常とありますね。 んー、フルタイム女の子ではなく把握しているサンプル数が少ないので何とも言えませんが、現在では背面が多いんじゃないのかなぁ。
さて、相当書いた後にやっとこさあらすじ。
主人公、森川小太郎の通う聖プリュム学園に突如?二人の美少女姉妹が現れます。 そして彼女たちは僕に言うのです、「魔法倶楽部を作りましょう」と。 その裏には、小太郎が有するある能力と、世界で起きているある異変が関係するのですが...。 ま、可愛い子と恋愛しつつ異変を解決しちゃいましょうというお約束通りの展開となっております。
この辺のジェネリックな情報は今回もWikipediaで。 って、ぁぅ、まだ内容が薄い...。 できる範囲で足すかな。
特徴的なのは、アニメのように「全12話」で構成されているところ。 昨今ではそんなに珍しくもなくなりましたが、わざわざ1話ごとにOP/ED(しかも毎度同じヤツ)を挟むのはなかなか。 嫌ならスキップできる演出ですから、雰囲気出すためにもやっておいて正解でしょう。
しかし1話あたりきっかり30分程度かというと、そうでもなく、手元では総計(冴子先輩1巡)約7時間31分、平均37分かかっています。 今回は会話音声も半分ぐらいは飛ばしていますから、オートプレイなんかにしたらもっとかかるでしょうね。 それでも、1話あたりが平均通りならマシなのですが...。 65分もかかった話があったりするんですよ。 まとまった時間の取りづらい人にとって、各話均等で分割してもらえるととてもありがたい(それを売り文句にされてもいいぐらい)ので、制作者のみなさまにはご検討いただきたいなと。
肝心の内容は、明るく楽しい学園生活がテンポよく綴られていきます。 そりゃなんたって「ソルティアンジュ魔法倶楽部」ですから、放課後ですから。 恋愛なんてそっちのけですよ。 あれ? ええ、恋愛分はかなり薄めですね。 冴子先輩だったからという可能性もありますが、おそらくはどのキャラのルートも同じじゃないかと。 純粋に「学園もの」であり、結果恋愛だってあるよねって感じです。 この辺は好き嫌いの分かれるところかも知れません。 放課後のよしなしごとを楽しみたい方にはおすすめできますが、ひたすら恋に悩み抜きたい人には向きません。
「明るく楽しくテンポよく」はクライマックスの、割とシリアスであろうシーンにも響いてくるあり方で、何をやってても冴子先輩が妙に色ボケた茶々を入れるシナリオ。 これも好き嫌いが出るところでしょうね。 私は後述の通り大好きですが、いわゆる泣きゲーを至上とする方々には受け入れられないかも知れません。 また、最近はクライマックスにシリアスかつ小難しい大展開を仕掛けるのが主流ですから、そーゆーのに慣れ、期待しちゃってると肩すかしを食らいます。
正直、冒頭に提示される「世界で起きつつある異変」に対してシナリオが提示する答えは薄っぺらです。 しかしそれは「世界」においてはおかしいことではなく、まさにそんなものだよねってことなんですが。 異変をキーに進めた人にとっては、物足りないものに映るでしょう。 多様性は素晴らしいという観点からも、このようなシナリオのゲームが健在であることに私は安堵を覚えました。
今回は私自身が冴子だったので、当然まずは冴子先輩とのEDです。 いやぁ、私も年ですかね。 最近、お姉さんキャラを選ぶことに何のためらいもなくなっている...。 実はこのソルティアンジュが届いた日、私は誕生日を迎えまして...。 もうね、いい加減10歳も下の女の子のコスプレとか厳しいんだよっ。 と改めて心の中で吠えちゃいました。 アンチエイジングとか言い出すのも近い年齢になってきてしまったなぁ。
小太郎ちゃんから見ると1学年上の(とは言え、実年齢では数千年の差があるわけですが)お姉さんとのEDを迎えてみて。
やっぱりかっこいいなぁ、冴子先輩。 あんなお姉さんになりたいなぁって。 隣にいたとしても、恋愛対象(と私から偉そうに言うことはないと思いますが、あえて)にはならないかなって思っちゃいました。 そのぐらい、憧れの対象となるお姉さんなんです。
どんなときもふざけて笑って、軽口叩いて。 でも、いざというときにはキチッと結果を出しちゃう。 だからもちろん人並み以上の努力をしているんだろうけど、やっぱりそんなことはおくびにも見せない人。 理想ですよねぇ。
勇気を出して学院祭を一緒に回ろうと誘いに来れば、「別に学院祭でなくても、デートとか誘ってくれてもいいんだけど?」なんて返しちゃうの。 みんな真剣になっている横で、エッチなつっこみ入れて年下にも怒られちゃうの。 いいよねぇ。
私もそうあろうと現実に努力をしていますが、届いているのだろうか。 まぁ、いつも笑っていて、バカなことを言っていて。 ってのは間違いないんですが(笑。 ここ一番で決められているかが不安ですね(^^;
そんな冴子さんも余裕をなくしちゃうのは、小太郎ちゃんとのエッチ。 えー、そんなのやだー。 エッチの最中でもなんか余裕で「小太郎ちゃん、可愛いっ」って姿勢を崩して欲しくないのにぃ。 まぁ、後日談を見る限り、喘ぎ方そのものが演技じゃないかって気もしてきて多少嬉しくなるんですが(笑。
聖衣で寝ていて、眠りに落ちるとともに聖衣が薄れるシーンが12話にあるのですが...。 黒タイツはいてないんですよ。 ええ、戦闘時にも確かにはいていたのに。 聖衣が消えれば、下着だけになるって計算だろっ。 やっぱり冴子さんってばいつも余裕なんだぁっ。 となんか悔しいやら嬉しいやら。 でもそのあとに裸ソックスとか始めるので微妙だったりしますが。 なんて疑いませんよっ。
こんなことを求めたら冴子先輩に負担と絶望を与えてしまうだけなのかも知れませんが、いつでも完璧で、僕の頭をなでてくれるお姉さんでいて欲しいんです。 いたいんです(ぉ。 それは四六時中そうで、誰といるときでも二人きりのときでも、シリアスなシーンでもエッチなシーンでも。 わがままな望みだと、わかってはいるんですけどね。
メディアであるDVD-ROMにはプロテクションなど施されておらず、インストーラはコピーするだけの自社製と覚しきものです。 標準(フルインストール)で3780MB、最小構成(DVD起動)で27MB。 今回は標準を選択しました。 インストール先は「C:\Program Files\」がデフォルトで、画面には「指定先に『micro\Soltieange\』フォルダを自動的に作ります。 」という注意書きが添えられる仕様。 「Program Files」がハードコーディングか、APIや環境変数等から取得しているかは不明。 後者と想定すればまずまずでしょう。 「Soltieange」は「Sortieange」が正しいようなんですが...。 どうも同社の配布ファイルなんかも見ていると、開発中に変更されたのかなと思わせます。 スタートメニューのショートカット作成で「全ユーザのメニューに登録する」が選べるのは美少女ゲームとしては珍しいかも知れませんね。
なお、プレイ中にアップデータ(修正パッチ ver.1.01)がリリースされたため、適用しました。 その際に誤ってインストールしていないPC(リプレース作業中なので、つい)でアップデータを実行したところ、インストールパスが見つからないから手動で指定してくれとフォールバックしていました。 優秀。 基本中の基本ではあるのですが、忘れがちなこと。 私も見習いたいですね。 見習っちゃうと複雑になるからと却下されるんですけどね...。
ゲームシステムは多機能で、考えられる一通りの設定ができます。 ロードやセーブの際に確認を入れるかを設定できるのは初めてです。 細やかな配慮が嬉しいですね。 プレイしていておもしろいのは、システムでルビ振りをサポートしているところ。 結構「漢字表記(ふりがな)」って書き方のゲームが多いように思えますので、感心しちゃいました。
しかしここまでできていながら、キーバインドには疑問が残ります。 マウスの右クリックが、システムメニュー呼び出しなんですよね。 使用頻度から言ってメッセージ領域消去を割り当てるべきでしょう。 テストプレイではあまり行う操作ではなさそうですから、気づかなかったのかなぁ。 次は改善してください。 キーバインドについて、ついでだからもう一つ。 キーボードがら空きなんだから、viっぽいバインドも付けといてよ(笑
プレイ環境は長らくお世話になっている舞雪。 今回で最後かな? おなじみWindows Server 2003, Enterprise Edition SP2上で動作させましたが、十分に安定していました。 9話の「事件」後に以下のエラーが起きましたが、OKを押して少し待ったらセーブはできました(ver.1.00にて)。
--------------------------- ソルティアンジュ魔法倶楽部 --------------------------- モジュール 'ソルティアンジュ魔法倶楽部.exe' のアドレス 0041128C でアドレス 0A406248 に対する読み込み違反がおきました。. --------------------------- OK ---------------------------
いつも言っている「ウィンドウが非アクティブになると」の件も問題なく、非アクティブでもちゃんと動作を続けてくれます。 1点ケチを付けるとすれば、CPUの使い方が下手なところでしょうか。 常時1CPUを使い切っています。 その必要はないはずなので、改善していただきたいところですね。 ちなみにスレッドが複数あるおかげで多少はSMPの恩恵に与る場面もあるようですが、SMPの利用は考えられていないプログラムだと思われます。 ま、そんなにパワーが要されるわけでもありませんから、美少女ゲームでSMPは意識しないでいいと思いますがね。
まとめ。
意外にも万人向きではありません。 「放課後」って言われてとにかくドキドキしちゃう人にはおすすめ。 展開について触れた通り、シリアスシーンで茶々入れられたり、「そんなもんだよね」的な物語が嫌な人にはおすすめできません。
是非ともやるべきだというレンジにはありませんが、興味あるならやってみてと言ったところでしょうか。
ぁ、これだけは書いておこう。 このゲーム、一応「エロゲー」なんですが、エロはかなり少ないから覚悟してかかれ。 先輩とのエロエロな展開を期待してやったらしょんぼりだぞ(笑。
このエロの薄さを見ていると、エロゲー/美少女ゲームってホント自由なプラットフォームなんだなと感心します。 エロ漫画/小説だとエロの量とか決まってたりするわけで、逆に一般向けだとエロは禁止な訳で。 エロに限らず、あらゆる意味で自由に選べるエロゲー/美少女ゲームって素晴らしいよね。 ...商業的な理由によりやりたいときにやりたいことができるかは別だろうけどさ。
では、この辺で。 もう1巡、真央ちゃんとやろっかなぁと思っていたりしますが。 気が向いたら、追加でレビューするでしょう。